セラピストも人間なんで

セラピーの中では
セラピストとクライアントとの間の境界線も大事ですが

セラピストの心の中の境界線も
とても大事です。

この心の中の境界線の方が
気がつきにくいので
より難しいものかもしれません。

セラピストといえども
人間なので
いろいろな問題や
まだまだ未解決の課題を抱えています。

セラピーの中で
クライアントさんと向き合いながら
そんな問題や課題の部分が反応してしまうことも
あって当たり前です。

でも
それはセラピスト自身の人間としての問題なので
セラピーの中に持ち込んだり
ましてやクライアントさんにぶつけたりしてはいけません。

だからセラピストは
自分の中のセラピストとしての部分と
人間としての部分を区別して
把握している必要があります。

それが
心の中の境界線です。

セラピストの自分と
ひとりの人間としての自分の間の境界線です。

セラピストとしての自分だけを自分だと思っていくと
人間として当たり前に揺れ動く感情や思いを
どうしていいのかわからなくなります。

どうしていいのかわからなくなって
この仕事を続けていけなくなる場合もあると思います。

それでもセラピーの中では
セラピストなので
セラピストでなければいけません。

そのセラピストとしての役割を求めて
クライアントはやって来ます。

私のクライアントさんたちもそうです。

セラピストとしての私を求めてやってきます。

それは個人としての私ではありません。

個人としての私は
セラピー中も感情が動いたり
いろんな考えが出てきたりします。

でもそれはクライアントさんにとって
どうでもいいことなので
もちろん表には出しません。

セラピーの中では
私はセラピストです。

ときどき友だちがセラピーを受けに来ますが
そのときももちろん私はセラピストなので
普段の友だちのときとは
まったく違います。
(たぶん友だちは気がついていないと思いますが)

だから
友だちから相談を受けるときと
セラピストとして相談を受けるときは
まったく違います。

そうでないと
友だちからお金はいただけませんからね。

プロであるって
そういうことだと思います。

自分の中にちゃんと境界線を持っていること。

とくに
カタチがないこういう仕事をしていると
そんな境界線をわかっていないと
大事なところが崩れていってしまうと思うのです。

だから
セラピストである役割をしっかり果たしたあとに
個人としての自分に向かい合う時間を
かならず持ちます。

自分のことを大事にしないと
セラピストとしての自分は成り立ちませんからね。

養成コースの中の「基礎コース」では
そんな自分の中の境界線を育てていきます。

プロのセラピストになっていただきたいからね。

プロとして楽しく仕事を続けていただきたいのです。

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自由って何でしょうね?

先日セラピーは自由であること

クライアントも
セラピストも自由であること、と書きました。

 

でも
「自由」ってなんでしょうね。

 

自由と聞くと
「わがまま」とどう違うんですか、
そんなに好き勝手やってはいけないんじゃないですか、
だってほかの人の迷惑になったりするじゃないですか、
と言うひともいます。

 

私は自由であることは
余裕があることだと思っています。

 

自分に余裕があること
心に余裕があること

ゆとりと言ってもいいかもしれませんね。

 

余裕があると
「自分勝手」にはなりません。
余裕があるので
自分のことだけじゃなくて
周りに気を配ることもできます。

 

余裕があると
「自分が」「私は」と自分のことだけに
固執しません。
ほかの人のことも受け入れられます。
そして
ほかの人と自分との違いを受け入れやすくなります。

 

余裕がある状態、
これはどんな人でも作ることができます。

 

反対に余裕がない状態、
何かに固執したり
周りが見えなくなる状態にも
どんな人だってなり得ます。

 

インナーチャイルドワークの考え方からすると
余裕がある状態は
「大人」である自分です。
余裕がない状態は
「子供」の自分です。

 

大人であればどのひとも心の中に
「大人」と「子供」を持っています。

 

「大人」の自分であるとき
誰もが「自由」と余裕を感じることができます。

「子供」の自分が出ちゃうとき
誰もが何かに固執し
周りが見えなくなり「自分のことだけ」になります。

 

このセラピーの中では
そんな「大人の自分」を取り戻していくことが目的です。
そして
「自由」になっていくことが目的です。

 

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優子先生の体験談

この養成コースは
基本的に二人の講師が
講義の中でこのセラピーの理論や技術を教え、
またみなさんがプロのセラピストととして
セラピーを実践できるようになるためにとことんサポートしていきます。

その講師のひとり、阿野優子先生の体験談です。

阿野先生は、船戸クリニックのドクターでもあります。

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私が前世療法とインナーチャイルドワークを学んだのは、
医療に役に立てることが目的でした。

その頃、通常の医療では治すことのできない患者さんの医療に役に立つ方法がないか模索中だったのです。

スキルを学ぶつもりで始めた勉強でしたが、心理学的な基礎を学ぶに連れて、
次第に、他者に対する理解だけではなく、
自分に悩みをもたらす人間関係や自分の思考パターンなどへの理解をもたらしてくれました。

誰かを助けるための知識や技術、その「誰か」の中に自分が含まれていることを忘れていたのです。
自分を助けることにより、より他者を助けるということを実感的に知ることができるようになりました。

他者を助けるためにはまず自分自身で試してみる、
そうすると、この療法がどれだけパワフルなものなのかを体験的に理解でき、その真髄に触れることができ、
そして、自分以外の誰かにも必ず役に立つのです。

傷ついている自分を癒し、
過去の影響や、与えられた価値観や、植え付けられた罪悪感や、ねばならないとされた義務感から自由になり、
自分自身の意思と思考で「誰か」に対峙する。
その姿は、そばにいるだけで、その「誰か」の励みになります。
その人が自分の意思と思考で自分らしく生きる力を蘇らせる励みになると思います。

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