「三角形のドラマ」とコロナウイルス

2月9日(日)セラピスト養成コース基礎コースの第3回目講義がありました。

この日のテーマは
「三角形のドラマ」でした。

 

三角形のドラマは
1960年代にスティーブ・カープマンによって体系付けられた人間関係のモデルです。

これは
あらゆる文化、民族、宗教に存在し、
家族内、友人関係、職場での人間関係など
どこでも起こりうる人間関係のパターンです。

三角形という名のとおり
このドラマは三つの役割で成り立っています。

「迫害者」
「犠牲者」
「救済者」です。

「迫害者」がいるところには「犠牲者」がいます。
(「被害者」とも言いますね)
そしてこの関係に「救済者」が関わってきます。

これは
よく見ると本当にどこにでもあることで

誰もが
いつでも
「迫害者」にも
「犠牲者」にも
「救済者」にもなっていきます。

このドラマの中に入ると
とにかく苦しくなる!

どんな人でも苦しくなる。

苦しい!つらい!
と感じたら
必ずと言っていいくらい
このドラマに入っています。

その相手はいつも
「ひと」とは限りません。

今の社会の中でいうと
「コロナウイルス」。

その「犠牲者」になっているひとは
とても多いんじゃないかと思います。

「犠牲者」は
自分は不幸であり
いつもそんな役回りばかりをさせられているという意識です。

いわゆる「被害者意識」です。

実は
この三角形のドラマ
人と人との人間関係のドラマとして捉えるよりも
「意識状態」として捉える方が大事です。

特にこの
前世療法やインナーチャイルドワークは
意識のためのセラピーなので

人間関係は
自分自身の意識の中の
自分対自分の関係性の投影だと捉えているし

その自分の意識状態を変えれば
反応も変わるので
起こっている事実が変わらなくても
その人にとっての世界は
まったく変わります。

だから
「犠牲者」の意識であり続けるなら
どんなに恵まれていて幸せな状態でも
不幸を感じるし
不安や恐れを感じてしまいます。

「犠牲者」の意識は
自分には何もできないという無力感が
とても強い。

何もできないのは
あの人のせいだ!
あれのせいだ!
と自分以外の何かのせいにして

自分で何かをしようとしないし
誰かが何かしてくれるのをずっと待っています。

何かできることを探そうともしない。

そんなものあるはずないと思っているからね。

そして
無力感を感じる。

苦しいよね。
苦しい。

コロナ、怖いよね。
怖い。

だからマスクする。
手を洗う。

そしてニュースを見る。
もっと怖くなる。

どうしようどうしよう。

でも

本当に怖いものって
何ですか。

ひとにとって
「怖い」とか「不安」とかの感情は
とても大事なものです。

これがなかったら
私たちは無防備で
ここまで生きてこれなかったでしょう。

「怖い」や「不安」といった感情は
私たちに危機感を持たせ
体や心の健康や安定を守ろうとしてきた
健全な本能のひとつです。

でも
「怖い」「不安」はネガティブな感情なので
なるべくない方がいいという
間違った考え方の中で

本当の「怖い」「不安」が何か
わからなくなってしまったひとは多いと思います。

多い、というよりは
みんなそうじゃないかと思います。

「怖い」という気持ちに対して「怖い」と感じる
「不安」に対して「不安」になる
といった感じで
本当の気持ちが何重もの気持ちに覆いかぶされて
わからなくなってしまっている。

今回のような
得体の知れないものに対して
「怖い」「不安」と感じるのは
自然なことです。

その「怖い」「不安」は
向かい合うものに対して
適切なものであったら

今度は向かい合っていく「覚悟」になっていきます。

「覚悟」をすると
自分の力を取り戻せます。

そうなったら
「怖い」「不安」といった感情に飲み込まれるのではなく
反対に
その感情エネルギーを強さに変えていけます。

そうやって変わった人たちを
今までたくさん見てきました。

「犠牲者」から脱出するには
本当の気持ちを見つけることです。

本当の「怖い」「不安」を感じられたら
もうどんなものの犠牲にならない自分
どんなもの、どんなひとのせいにもしない自分
どんなものにも振り回されない自分
どんなひとの顔色も見ない自分
そんな自分を見つけることができます。

本当に怖いものは
なんですか。

今回のコロナウイルスは
私たちに本当の気持ちを見つけ出して
どんなものの「犠牲者」にもならない自分で生きていける
チャンスじゃないかと思っています。

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