インナーチャイルドワーク

大人の自分を育ててみませんか(その2)

「大人の自分を育ててみませんか」(その1)で

「大人の自分」と「子供の自分」を区別すること、と書きました。

 

大人って何でしょうね?

子供って何でしょうね?

 

インナーチャイルドワークのいちばんの基本は

やっぱりここなんですよね。

 

インナーチャイルドワークは

私たちが大人になるためのものです。

 

だからこそ

 

大人になるために

大人を知る。

大人を知るためには

子供を知る必要があるのです。

 

 

ではまず

大人としての大事なことのひとつに

「自立」があります。

 

「自立」って何か

よく患者さんたちとも話します。

 

「まだ親元で生活しているから自立できていません」

「夫に養ってもらっているから自立できていないんです」

「自分だけで何でもできるように早く自立したいです」

 

そんな話をよく聞きます。

 

けっこうみなさんが言う「自立」は

経済的な自立

物理的な自立のことなんですね。

 

でもインナーチャイルドワークの中での「自立」は

精神的な自立なんです。

 

だから

経済的に自立できてなくても

物理的に自立できてなくても

ぜんぜん関係ないのです。

 

反対に経済的、物理的に自立できていても

精神的に自立できていなかったら

ここでいう「自立」とは言えないのです。

 

精神的に「自立」しているってどんなことでしょうか。

 

私はこれまで

たくさんの障害を持っている方たちの相談に乗ってきました。

みなさんそれぞれ、さまざまな障害を持っています。

先天的な障害だったり後天的だったり、

身体的な障害だったり精神的な障害だったり

年齢だってさまざまでした。

 

どの人とも結局行き着く話が

「自立」についてでした。

 

でもこれは障害を持っていない他のひともまったく同じなのです。

 

ここではそんな障害を持っている人たちとの話がわかりやすいかなと思って

例としてお話ししますね。

 

ある障害を持った青年が「自立したい」と相談してきました。

彼は生まれつきの身体障害があり

ずっと親(特に母親)の介助を受けてきました。

もう成人したので母親から自立したいし

家から出て一人暮らしをしたいと話してくれました。

「これからはすべてのことを

自分で決めて

自分で選んでいきたいんです」と。

 

今までは親が言うことや学校の先生が言うこと、

さらには福祉サービスや行政が言うことを

ただそのまま「受けてきた」けど

これからは「自分で」決めたり選んだりしたいと言うのです。

 

この「自分で」というのが「自立」です。

 

この世界にたった一人しかいない「自分」

その「自分」でいたい

「自分」を大事にしたい

「自分」を感じていたい

それが「自立」です。

 

彼にそう「自立」について話したあと、

さらにこんな話をしました。

「自分で決めて、自分で選ぶだけでは「自立」には足りないと思うよ。

まず自分で決めるためには、自分は何を決めたいのかを把握しなければいけないもんね。だから自分をわかろうとしなければいけないよね。

あとは、自分で選んでそれを実際にやってみたら、その結果を自分で請け負うことも必要だよ。自分で選んだんだから、どんな結果になろうとも自分で請け負うこと、責任を負うことも大事だよね。

自立って、まずは自分で自分のことをわかること、これは自己把握と言います、そしてあなたが言うように自分で選ぶこと、これは自己選択、また自分で決めること、自己決定、さらに自分でその結果を請け負うこと、自己責任、までが大事だよね」

 

私が補足した「自己把握」と「自己責任」は精神的なものです。

 

自分で自分のことをわかろうとすること

自分で自分の責任を負おうとすること

 

どちらも「わかること」「負うこと」という結果ではなく

「わかろうとする」「負おうとする」という過程や姿勢が大事です。

なぜなら結果にこだわるのは「子供」です。

過程や姿勢を大事にできるのは「大人」です。

 

また「子供」は、他のひとにわかってもらいたいという「依存」があります。

「大人」は、自分で自分のことをわかろうとするところが「自立」につながります。

 

「子供」は、「依存」しているので、責任を誰かや何かのせいにしがちです。(これが違う形になると、ぜんぶ自分のせいだ!と責任を負いすぎます)

「大人」は、負える責任と負えない責任の区別を見極めようとします。

自分の責任は負えるけど、

自分以外の責任は負えないと判断できるのです。

そして、自分の責任は「自分なりに」負おうとするのが「自立」なんですね。

 

先の彼には時間をかけて(数年かけました)

そんな話を噛み砕いて話してきました。

今まさに彼は、それを実践し始めています。

「難しいです、先生」って言ってますけどね。

 

もちろん簡単ではありません。

そうやって私たちは

一生をかけて少しずつ大人になっていくんだと思います。

 

インナーチャイルドワークの中では

「大人」は完璧や完全なものはない、

ひとはこの世で生きている限り不完全だということを知っているから

この自分でいると楽になっていくんですね。

 

反対に「子供」は

完璧で完全なものを求め苦しくなります。

 

不完全な自分を認める

不完全なこの世界を認める

それを受け入れる

それがインナーチャイルドワークの目指す「大人の自分」です。

 

そうするとどんどん楽になりますよ。

 

そういう意味では

ずっとインナーチャイルドワークをやり続けていくものと思っています。